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2015年1月30日金曜日

約4年FinalCutProXを使ってみて…良し悪しをPremiereProCS6と比較してみた。

2011年にこんなエントリーを書いたところ、沢山の方に読んでいただきました。
ありがとうございます!

半年FinalCutProXを使ってみて…FCPXをオススメする理由。
http://oldperfume48.blogspot.jp/2011/11/finalcutproxfcpx.html

さて、時は2015年。
衝撃的なFCPXのデビュー、FCP7以前のユーザーからは反感を買われPremiereProやAvidMediaComposerへ移行する人も。。。
一方で近年のいわゆる“YouTuber”にはiMovieのように気軽に手早く高度な編集ができることより、FCPXは標準ツールとなっております。
むしろFCPXがあったからYouTuberが生まれたのではないか、YouTuberが発展したのではないかと思ってしまいます。
現にHIKAKINさんやマックスむらいさんの映像チーム、バイリンガールちかさんなどはFCPXですしね。

Appleの作戦はプロユーザーから反感を買う一方で、アマチュアの映像作品クォリティの底上げにはかなり成功しているかなと。。。
何せFCPXの¥28,800は、PremiereProの年間プラン(一括払い)¥26,160より断然安いですし、買い切りなので何年使っても追加料金は発生しないですし。

私もFCPXを使い始めて4年が経過しようとしております。
大学で言えば卒論の時期ですねw
そこで併用しているPremiereProCS6と比較してFinalCutProXはどこが良いのか?悪いのか?
個人的に4年間で感じたことをありのままにまとめてみようと思います。
なお私は趣味でもお仕事でも映像制作してますので、その視点からも。



〜FinalCutProX 良いところ悪いところまとめ〜



[良いところ]素材の管理〜編集〜書き出しまで、FCPXだけで全部できてスピーディ

ビデオカメラやiPhoneまで接続したカメラからファイルの置き場所を気にすること無くバシバシ取り込めるのは○。
また一度取り込んだファイルは非表示にできるので、ビデオカメラの内蔵メモリーに消さずに貯めておく運用をしているユーザーにも優しい。
そして取り込んだ後、PremiereProだと一度ソフトに読み込まなくてはいけないが、FCPXだと既に読み込まれているのですぐに編集開始できる。
編集に関しても、エフェクトやテロップ類は充実している方だと思うのでAfterEffectsやDaVinci Resolve・MAソフトなど外部ソフトに頼る機会も少ないと思う。
カラーグレーディングもプリセットが豊富で、結構調整の幅が広い。
そして書き出しは直接YouTubeへアップロードもできる。

YouTuberは毎日1本、マックスむらいさん始めAppBankの動画に関しては1日に何本もアップしていて驚異的に量産しているが、インターネットならではのスピード感を手助けしているのはまさしく上記のようなFCPXの特性のおかげだろう。

[悪いところ]プロジェクトファイルが復活しないことがある

これは困ったことが2度ある。
どちらもブレーカーが落ちてMacが電源落ちしてしまった時である。
電源落ち後起動してみると、さっきまで編集していたプロジェクトが無いのだ、FCPX上にw
Finder上の.fcpbundle内にはプロジェクトファイルがあるのに、なぜかFCPXには認識せず。
結果、編集を0からやり直したことがある。
今のところプロジェクトファイルを復活する手立てがなく、信頼性を大事にするプロユーザーにはFCPXをオススメできない要因の一つだ。
(もしプロジェクトファイル復活の仕方をご存じの方がいたら教えて下さい)


[悪いところ]オーディオミキサーの概念がなく、音割れの調整が面倒

PremiereProのようにオーディオミキサーの概念がなく、例えばプロジェクトファイル全体にリミッターをかけて音割れ防止する、といった事ができない。
上記写真はPeremiereProでマスターにリミッターをかけているところ。この数クリック程度で特に音量を細かく調整することなく、音割れを防止できて手っ取り早い。

もちろんFCPXでも複合クリップにタイムラインのクリップすべてを突っ込んで“ネスト”すれば一度に全体へリミッターを適用することも可能だが、個人的には複合クリップをあまり作りたくないので躊躇っている。。。w

参考:動画編集で手っ取り早く音割れ防止する方法~PremierePro編
http://oldperfume48.blogspot.jp/2014/02/premierepro.html

[良いところ]素早くテロップが配置できる
[悪いところ]テロップが細かく設定できない、表現の幅がない

欠点は長所の裏返しということで。。。
FCPXはあらかじめデザインをテンプレート化して、登録したテンプレートをそのままタイムラインにドラック&ドロップすればあとは文字を入れ替えるだけでテロップが完成する。
演者のセリフを大量にテロップ化する際はかなりスピーディに出来て素敵。

一方でスピーディに出来るせいなのかそもそも設定項目が少ないのか、PeremiereProやPhotoshopのテキスト設定項目のほうが圧倒的に細かく調整できる。
文字詰めで使うカーニングのショートカットはPremiereProとPhotoshop共通、縁取りは無限に出来てデザインの幅が広い、など。

↑PremiereProのTitle Designer

特に文字詰めや文字の装飾が不自由なFCPXは、結果的にダサいテロップになってしまう。
なので素人っぽいテロップになってしまうし、このテロップの不自由さだけで仕事には使えない。
個人的にはFCPXのテロップは浮いているというか、コンピュータ文字っぽく感じて映像に馴染んでいないと感じる。
テキストアニメーションもYouTube見てると皆使用しててオリジナリティを出せない。

迅速なテロップ入れが出来るが、企業VPやCMなどのお仕事案件には使えない。
テロップのクォリティをどう捉えるか?でFCPXが神ソフトなのかどうかが変わってくるだろう。

ちなみにYouTuberの瀬戸浩司さんは、PremiereProでいつも編集しているが、非常にテロップのクォリティが高く、見やすい。
FCPXを使用しているHIKAKINさんはこちら。


[悪いところ]キーフレームの補間法が自由に変えることができない

これは上記動画で取り上げているが、キーフレーム補間法がデフォルトでは「スムーズ」になっており、直線的に動かしたい時には困ることがある。
しかもパラメーターによって補間法を変えることが出来ないのもネックだ。

[悪いところ]最終書き出しがCompressorが無いと自由に設定ができない
最近のYouTubeはアップロードファイルの制約がないので書き出しプリセットで十分だが、これが仕事でとなるとファイル容量に制約があったり、そもそもH.264以外の圧縮形式を選べないのでCompressor - Appleというエンコード専門ソフトを買うしかない。
この点はPremiereProには標準で付属してくる、MediaEncorderは非常に自由度が高い。

また気になるのがFCPXで書き出したm4vやmp4ファイルをYouTubeにアップすると、下記のようにYouTubeより警告メッセージが出てしまうのは気になる。
(今のところYouTubeにアップしても問題無い)

まとめのまとめ

以上不満ばかりをあげてしまっているが、これはPremiereProと比較してしまうとどうしても良し悪しが出てしまう。
FCPXに最適な作品があり、PremiereProにも最適な作品がある。
私はプライベート作品ではFCPX、お仕事や結婚式・個人主催のイベントなどハレの場でクォリティを求めるとき/求めたい作品にはPremiereProを使用している。
YouTuberの方はiMovieやムービーメーカーからのステップアップでFCPXを使用すればお気軽にクォリティの高い映像が作れるし、安い。
またお仕事で使用する人でも、速報性と量産が求められる場合や映像編集に疎い企業広報や社内ビデオ制作時は安くて簡単にFCPXを使用できるだろう。
きちっとTV番組編集や企業VP、TVCMやPVを制作するクリエイターの皆さんはPremiereProを。
自分のやりたい事に合わせた選択が重要かと思う。


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